経営の大局をつかむ会計
『経営の大局をつかむ会計/ 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ』 山根 節著
生きた会計学の本です。
一年以上前の出版で以前読んでいるのですが、もう一度読み返したくなり、今日初めから少し丁寧に読み進めておりました。
会計は大きく分けて二つ。フローとストック。
どれだけお金をかけて、どれだけお金が増えたか。(フロー)※注釈1
現在の所持金はいくらで、いくら銀行に預けているのか。(ストック)※注釈2
カンタンなことを積み上げていくとそれが企業会計にもつながる。
著者、山根さんの嬉しいアプローチ手法は二つ。
一つは、金額の大きさを実寸の長さにたとえて説明してくれていること。
二つ目は、初めから具体的な事例を出して、リアルの感覚とつなげてくれていること。
お話の内容はどこまでも実践的でありながら、山根さんのこだわりは、「イマジネーション」。すなわち、自分で考えることをベースに、ビジネスを思考する道具としての会計のヒントを、具体的な事例を交えて説明してくれている。
高級レストランに入って、メニューを開き、平均顧客単価を予想し、・・その事業のリアルな全体像が推測できるか?
または、企業会計の突出している数字をみて、その異常さや変化からリアルのビジネスの問題点が浮かび上がるか?
一企業の社員としてお仕事をしている限りは、日常の業務ではとくに必要のないスキルかも知れない。しかし、企業経営者、自営業者、社内に身はおいていても、新規プロジェクトを任されている立場の人には、必要な会計センスだと思う。
とくに、Webをディレクション、プロデュースをしていく立場の人(またはそれを志向していく人)にとって、クライアントのビジネス状況をイメージしていく推察力、財務諸表から読み取れるWebにかけられるコストの算出などのアプローチは必修事項だろう。
クリエイター業界で「費用対効果(ROI)」という言葉自体はだいぶ定着してきているように思われるが、その実情はアクセス解析であったり、マーケティングの手法であったり(それはそれでとても重要なテーマなのだが)、必ずしも企業会計にはまだ踏み込み切れていない実情がある。
一人のWeb屋として、Web技術に時間と労力を投資するその一方で、会計知識までスキルの向上を図ることはたいへんなことかも知れないが、Webクリエイターがこれからますますビジネスステージで活躍していくために、豊かなWebが一つでも多く育っていくために、この著書で述べられている視点は大切な試金石なのだと思う。
もうあと一週間もすればお正月だが、ゆっくり読み進めてみたい一冊です。
※注釈1:フロー・・・・損益計算書( PL、Profit & Loss Statement )
※注釈2:ストック・・・貸借対照表( BS、Balance Sheet )
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